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脳梗塞 【のうこうそく】

 脳梗塞は、脳に酸素や栄養を運んでいる動脈がつまって起こる病気です。内頚動脈がつまることが最も多く、血栓と呼ばれる血の塊や脂肪沈着物の一部が血流に乗って脳の動脈の中でつまってしまうのが原因です。

 脳梗塞は血管のつまり方や血管の太さによって大きく3つのタイプに分けられています。

ラクナ梗塞

脳の中の細い血管がつまって起こる脳梗塞を「ラクナ梗塞」と呼びます。もともと日本人に最も多いタイプの脳梗塞で、高血圧などが原因になって起こる病気です。

アテローム血栓性脳梗塞

動脈硬化で狭くなった脳の中の太い血管に血栓がつまることによって起こる脳梗塞を「アテローム血栓性脳梗塞」と呼んでいます。高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が原因になって起こるそうです。

心原性脳塞栓症

心臓にできた血栓が血管の中を血流に乗って運ばれ脳の中の太い血管をつまらせて起こる脳梗塞は、「心原性脳塞栓症」と呼ばれています。長嶋茂雄さんの脳梗塞はこのタイプですね。

 

脳梗塞の治療

 脳梗塞は、早期診断・治療が必要になります。この病気は診断までに時間がかかればそれだけ脳に必要な血液が供給されないことになってしまうため半身不随(片麻痺)など深刻な後遺症が残ってしまうことになります。

脳梗塞の中で、もっとも症状が重いのが心原性脳塞栓症で死亡率はなんと12%にものぼります。次にアテローム血栓症で死亡率は6%、ラクナ梗塞は死亡することはほとんどなく、90%以上が社会復帰できます。

 日本人に多い脳梗塞のタイプはラクナ梗塞だとご紹介しましたが、最近は少しずつ状況が変わってきているようです。主な原因は食生活の変化だと言われていますが、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症の患者さんも徐々に増加傾向にあり、それぞれ3分の1ずつの比率になりつつあるそうです。

 脳梗塞の治療は、そのタイプや発症からの時間経過、症状の度合いによって変わってきますが、もっとも効果がある治療といわれているのが欧米などで取り入れられている血栓溶解療法と呼ばれる血管の中にできた血栓を溶かす治療法です。

組織プラスミノーゲンアクチベーターという物質を静脈内に投与する治療ですが、この治療法にはひとつ問題があります。それは、脳梗塞発症後3時間以内に投与しなければならないということです。

3時間を経過してしまうと脳が出血する恐れがあり、この治療法は適用できなくなってしまうそうです。日本でも近い将来に使用が認可される可能性があるといわれています。

 脳梗塞の血栓溶解療法には、カテーテルを使用する方法もあります。脳血管撮影という検査を行い、脳血管のつまっている箇所を特定し、カテーテルでつまっている部分の血栓を溶かす治療法です。

カテーテルを使用する場合は、発症後3〜6時間でも治療を行うことが可能ですがつまっている血管が中大脳動脈の場合という制限があります。

 では、それ以外の患者さんに対する治療法はというと、オザグレルやアスピリンという血小板のはたらきを抑制する薬やヘパリン、アルガトロバンといった血液の凝固を抑制する薬の投与になるそうです。

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